顧客満足度・従業員満足度を大切にしているというガーデングループ 株式会社遊楽さん。働き方改革を進める上で、LGBTについても配慮したいということから、様々な取り組みを始められています。
LGBTに対する考え方や、現在進めている取り組み内容など、人事本部、本部長兼人事部部長の末次秀行さん、人事部採用課の佐々木真由子さんにお伺いしました。
現在御社ではLGBTダイバーシティを推進されていますが、きっかけは何かあったのでしょうか?
当社は企業理念の中に「信頼関係と笑顔を創り出し、CS・ES No.1になります」という言葉を入れており、ES(従業員満足度)を大切にしています。
ES向上のためには、あらゆる個性を尊重し、誰もが働きやすい環境を整えることも必要です。LGBTも個性のひとつとして理解し尊重すべきだという経営陣の意向もあり、取り組みを始めました。
当社はチャレンジ精神のある社風なので、新しいことを始めることにも抵抗がありません。LGBTに関しても、きちんと説明し、正しい知識を身につけることで自然に受け入れられる社風だと想います。
現在御社では働き方改革を進められていると伺ったのですが、どのようなことを行われているのでしょうか?
毎年9月にアルバイト社員を含む全社員が集まり、「全社大会」を行っているのですが、2016年はその場でガーデングループが定義する『いい会社』を宣言しました。
理念実現、ESの向上などの項目があるのですが、それぞれに対して自らが当事者となって考え動くプロジェクトから築き上げた定義です。
その過程の一つの取り組みとして、毎年開催している海外研修旅行のパーティーの場で、参加者一人一人が自分の意見を発表して、グループで統合した考えがベースの一端になっています。
同時に働き方も改革していこうということで、今年の3月から「TPP(Time performance program)」を開始しました。
生産性を高め、ワークライフバランスの精度を向上させることが目的です。
そのために、社員一人一人が毎朝その日やることを部署内のメンバーにメールして、帰るときには結果をメールするようにしています。日々のメールは月単位でまとめて、“見える化”して、生産性をより向上させるために各部署で改善ミーティングを開催後、実践に繋げています。この改善ミーティングでは、業務(ワーク)のみならず一人一人のライフの生産性についても話し合います。
LGBTに関する取り組みはどのようなことをされていますか?
現在行っているのは研修と社外のLGBT専用の相談窓口の設置です。
研修については、まずは人事部内のメンバーと女性活躍推進メンバーに行いました。その後、管理職対象に開催した研修を元に作成した映像を使い、アルバイト社員を含む全社員が視聴による研修を受講しました。
研修の反応は概ねよかったです。「知らないことで失礼なことをしていたかもしれないので、知ることができてよかった」「こういう取り組みを会社がするのはとてもいいことだと想う」といった感想が多かったです。
また、「離婚をしたとき、なかなか社内で言いづらかった。生活が変わるため、社内で言わざるを得ない場面もあり、最初は辛かった。LGBTの方もカミングアウトする際は勇気が必要だと思うが、共感できる部分があった」という意見もありました。
LGBTだけでなく、マイノリティな部分を持ち、悩みや不安を持っている人は少なくありません。LGBTに関しても正しい知識を身につけて受け入れられるようにしていきたいという話になりました。
LGBTの相談窓口に関しては何故設置しようと考えられたのでしょうか?
相談相手がいるということは安心感につながると考えたからです。相談窓口があるということに意味があると想っています。
さらに、セクシュアリティに関しては社内では相談しにくい人もいると想うので、社外にあるということもポイントです。
まだ始めたばかりなので、まずは社内で相談窓口があることを告知していくことを進めています。
最後に今後の取り組みにお伺いできますか?
LGBTに関する取り組みは、研修の実施や相談窓口の設置によって、まずはスタートを切ったという段階です。
今後は社内での理解を促進していくために、アルバイト社員を含む全社員に様々な研修を実施する予定です。
また、当社オリジナルのアライシールを作成し、アライ宣言をした社員に配布しています。また、社内だけでなくお客様の中にもLGBTの方はいらっしゃるので、店舗スタッフが胸につけられるバッジを作成するのもいいのではないか、と話し合っているところです。
まだまだ始まったばかりですし、今後課題も出てくるかとは思いますが、LGBTダイバーシティを推進することは当社の企業理念実現にも通じる事ですので、積極的に進めていきたいと考えています。
ありがとうございました!
編集部より
LGBT就活生のみなさんの中には、企業を探す際に「LGBT」というキーワードで検索したことがある方も多いのではないでしょうか。でも実際に検索してみると、意外とヒット数は少ないのが現状です。
ガーデングループさんにも「事前にLGBTフレンドリーだとわかっていると、安心して選考を受けられるという学生さんも多いんですよ」とお話したところ、さっそくリクナビのページにLGBTに関して記述されていらっしゃいました。
できることからどんどん取り組みを始められている姿に、インタビューでもお話頂いた「チャレンジ精神のある社風」を感じました!