vol.1 株式会社サニーサイドアップ

同性婚・事実婚の場合でも結婚出産祝金、結婚休暇を認める「パートナーシップ」制度の導入や、TOKYO RAINBOW PRIDEへの広報PR協力など、LGBT支援を積極的に行う株式会社サニーサイドアップさん。

制度導入のきっかけや、ダイバーシティに関するお考えを、バイスプレジデントの松本理永さんにお伺いしました。

松本理永氏
株式会社サニーサイドアップ
バイスプレジデント
株式会社サニーサイドアップの代表取締役社長である次原悦子氏とは同級生であり、会社立ち上げ当初からのメンバー。昨年発足したSSU DIVERSITY LABプロジェクトのリーダーでもある。

御社ではLGBT支援を積極的にされていますが、何かきっかけはあったのでしょうか?

きっかけは現在TOKYO RAINBOW PRIDEの代表をしている杉山文野さんとの出会いです。10年ほど前、人を介して当時学生だった杉山さんと知り合いました。

この出会いがきっかけで、4・5年前のことでしょうか。TOKYO RAINBOW PRIDEの存在も知りました。

TOKYO RAINBOW PRIDEは今年も多くの方が参加されて、大規模なイベントになりました。しかし、当時はまだまだ知名度は高くはありませんでした。人手も足りず、PRにもそれほど力を入れられていないという話を聞き、それなら私たちができることで協力しよう、ということになったのです。

※協力参加した当時のイベント名は「東京レインボーウィーク」

2016年のTRPにも広報PR協力されていますよね。

はい、今では毎年、当社の新入社員が広報協力として参加させていただいています。当日のメディアの受付や、取材の対応などのお手伝いをするほか、もちろん彼ら自身もパレードに参加して、当社のオウンドメディアで自分達が感じたことを率直にレポートしています。

「パートナーシップ」制度の導入はどのようなきっかけだったのでしょうか?

渋谷区の「男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」の施行などを受け、当社の制度にも見直すべきところがあるのではないか、ということになり、その一つとして以前からあった結婚祝金制度などの対象に同性婚・事実婚も加える形で、「パートナーシップ」制度をスタートさせました。

社内でのLGBTの理解はいかがでしょうか?

例えば新入社員はTOKYO RAINBOW PRIDEに参加する前に、トランスジェンダー活動家である前出の杉山文野さんによるLGBTに関する講義を受けています。これは希望があれば新入社員以外も参加することができます。

その他SNS等でも積極的にLGBTに関する情報を発信しているので、社内での理解は少しずつ進んできているのではないかと思います。

LGBT就活生から、カミングアウトのタイミングについて相談を受けることがあるのですが、御社ではどのように考えられていますか?

どのタイミングであっても問題ないです。
現在当社にはカミングアウトした当事者の社員も働いていますし、していない人もいると思います。
もちろん誰もがカミングアウトしなければいけないということではないですが、カミングアウトして働きたいけれど会社の環境に何らかの問題があってできない、という人がいないような環境にはしていきたいです。

LGBTに関する取り組みを始められて、何か変化はありましたか?

LGBT当事者の学生さんが選考に来られることが増えました。
エントリーシートにLGBT当事者であることを書かれている方もいますし、面接で話をされる方もいます。お友達が当事者だったという方や、アライとして積極的に活動をしていた、という方もいます。
まだあまりLGBTフレンドリーを公表している企業が少ないから、当社に興味を持ったという話をよくされますね。

LGBT就活生から、履歴書やエントリーシートの性別欄をどう書けばいいか悩むといった相談も受けます。御社ではどのように対応されていますか?

当社の代表である次原はもともと、性別だけでなくあらゆるバリアがない人です。
ですから当社では性別によって就けない仕事もありませんし、選考においても男女関係なく人物重視です。
だったらもうエントリーシートにも性別欄は不要なのではないか、そもそもこの二択は適切ではないのでは、という話になり、今年から新卒採用のエントリーシートには性別記入欄をなくしました。
中途採用に関してはもともと弊社指定のエントリーシートがないのですが、中途採用にエントリーいただく際にも何かしらの形で導入していけたらと考えています。

御社ではどのような想いでLGBTを含むダイバーシティを推進されているのでしょうか?

この会社を、「職場」というよりも「生活する場所」にしたいという考えがあります。
起きているうちの多くの時間を共に過ごす場所を、できるだけ気持ちよい環境にしたいんですね。
とはいえ、どんな環境であれば気持ちいいのかは人それぞれ価値観が違うので難しい部分はありますが、であれば常に「できるだけ多くの人が」気持ちよく過ごせるようにしたいと考えています。

また、ダイバーシティは企業にとって大きな強みです。
特に当社の仕事には性差がありません。採用したいと思うのは、例えば社会性が高く、かつ自分の得意分野を持っている人。オタク気質というか、興味を持ったことをとことん追求できる人が多様に集えば、会社としては大きな財産だと考えています。
例えばLGBT当事者の人であれば、経験や、考え方、人脈など、LGBT当事者だからこそ持っているものがあると思います。LGBT当事者以外にも、留学をした人、バイトや部活での経験、出産や子育てを経験した人、アーティスト活動をしている人、追っかけをしていた人、ダンスに没頭する人、介護をしている人など、人それぞれ、その人だからこそ経験してきたことがあります。
一人が全部を経験できるわけではないのですから、それぞれ違った深い経験や視点を持つ人が集まることは、まさに会社の懐の深さや幅につながります。そしてその人々が会社の掲げるミッションの元に同じ方向を向いて共に進む、そこにこそ、一人ではなくみんなで仕事をする意味があるのではないでしょうか。
それに、当社の場合はクライアント様も、ニュースを届ける先も多種多様。様々な方の気持ちがわかるということはもちろん、強みになります。
そういう意味でも多様性というのは今後ますます重要であると思っています。

ありがとうございました!

編集部より

すべての社員が気持ちよく働ける環境を目指し、ダイバーシティを推進するサニーサイドアップさん。とにかく人物重視で採用も行ってきたいと話されていました。

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