先日、ある上場企業の社長(40代)とお話をしました。
その社長は、LGBTという話を、経営者の集まりで他の社長から聞いて、自社でも取り組んだ方がいいのか、というご相談でした。

お会いして、まず最初に言われたのが『私はLGBTについてはほとんど知りません。これから勉強をしていこうと思います。勉強を始めるにあたって、企業がLGBTの取り組みするメリットとデメリットを教えてください』ということでした。

話をしてみると、その社長は“ほとんど知らない”とは言っていましたが、本を何冊か読んで一通りの知識はありました。
企業がLGBT取り組みを推進すべき理由として、人権的な意味、社会的責任(CSR)については当然として、それ以外に分かりやすいメリットが知りたい、とのことです。

なぜ社長が分かりやすいメリットを知りたいのか?

これは他の企業でもときどき聞くのですが、社長がLGBTに対して偏見や差別がなくても、社員の中には理解のない者もいて心無い言動をする可能性があるので、取り組みを進めにくいという話です。

今回お話した社長も同じことを考えていて、社員の誰もが分かりやすいメリットがあったほうが会社として取り組みやすいということでした。

同時に、社長が気にしていたのはデメリットでした。デメリットに関しては経済的なコストも含まれれば、それ以外のデメリットもあります。
トイレやシステム改修などのハード面を全部やろうとするとかなりのコストはかかるでしょう。また研修などにさく時間も金銭価値に置きなおしてコストとして計算することもできます。

社長としては、わかりやすいメリットとデメリットを並べたうえで、企業として取り組む価値があるというのを明確にすることで、他の役員も含めて社員を巻き込んでいきたいということでした。

 

このメリットデメリットを数値に置き換えるのは、ちょっと難しいです。試算は前提条件次第でどうにもなるので。
そこで、わかりやすいコスト(実際に関連して支払うお金)の計算をしてみました。

これもどこまでやるかによりますが、会社の状況と社長のやりたいイメージをお聞きした上でいくつか取り組み案を提案しました。提案したことを全部やったとして試算すると、それにかかる社員の人件費をいれても、従業員一人当たりにすると4000円程度でした。

一人当たり4000円が高いか安いかは企業によって判断は変わると思いますが、『メリットの数値化を厳密にしなくて研修コストとして考えても十分やる価値がある』といって早速取り組みを始めるとのことでした。

この企業がどんなスピードでどう変わっていくのか楽しみです。