このブログではこれまでLGBT当事者LGBTの体験談を掲載してきましたが、今回、お話をお聞きしたIさんはLGBTの非当事者です。Iさんの戸籍上の性別は女性で、結婚相手は戸籍上男性のMTFトランスジェンダーになります。

非当事者のIさんが、どうやって結婚に至ったのか、またどのような関係性で結婚生活をしているのか、IさんがLGBTフレンドリーな職場環境を望む理由などをご紹介します。

こんにちは。私は30歳の女性です。今は結婚して4年目になります。私のパートナーは同じく30歳のMTFトランスジェンダーになります。
もともとは大学時代に同じサークルで知り合って、最初からとても気が合って話が弾みました。わりとすぐにお付き合いを始めて、就職をしてしばらくしてから結婚をしました。そのころは、相手は男性として暮らしていたので、男性と結婚をした形です。

結婚して2年目の年末に、セクシュアリティのことを打ち明けられました。
それまで相手の性別について深く考えたことはなかったので、初めて打ち明けられたときは正直、驚きました。ただちょっと落ち着いて振り返ってみると、納得いく点もいろいろありました。
カミングアウトのときは、向こうもかなり切り出しにくかったようで、なかなか本題に入ってくれませんでした。パートナーから話があるから時間が欲しいといわれての時間だったので何の話だろうととても気になったことを覚えています。
驚きはしましたが、別れるとか裏切られたみたいな気持ちはまったくありませんでした。それまで7年近くつきあってきてパートナーの人柄とか本質的なところはよくわかっていたので、相手に対する想いも信頼も何も自分の中では変わりませんでした。
念のため一晩、考えてみましたが、変わらないことが確認できたので、そのままの生活を続けることにしました。
実際には、相手のほうはそれまで抑えていた女性の服装やメイクを積極的にするようになったので、私も“女性の先輩”としていろいろアドバイスをしてあげています。

そういう中で、困っているのが私の職場です、上場会社の系列の金融系の会社で社内ではLGBTのeラーニングなどはあるのですが、職場的には到底、周りが理解してくれる感じがしません。私自身のことではないので仕事に直接関係しないのですが、家族同伴のイベントなどもときどきあります。それまではパートナーを連れて行っていたのですが、そのあとは一緒に連れていくことができなくなりました。
些細なことかもしれませんが、私の気持ちの中ではずっとひっかかっています。ほかに良い企業があれば転職をしようかとも考えています。

Iさんのケースのように、MTFトランスジェンダーの当事者が男性として結婚し、その後、パートナーにカミングアウトをするというケースもときどきあります。本人たちが何を考えるかが一番大きいことですが、その周りの両親や家族、または職場の人間関係にも影響がでるケースもあります。
Iさんのケースでは、Iさんのパートナー(当事者)のご両親がなかなか理解してもらえていないそうです。そういう中で職場でも隠し事をするのがストレスになるようです。
このような形でのLGBTとのつながりがあり悩んでいらっしゃる人もいます。