契約企業の概要

全国展開をしている人材業界のA社。LGBTを含めたダイバーシティ&インクルージョンに積極的に取り組んでおり、数年前からパートナーシップ制度を導入し、研修や全社員向けのeラーニングを実施し啓発活動も進めています。
社風としても自由闊達で、風通しの良い組織という印象の企業です。

相談内容

「懇親会でLGBTQに関して気になる発言がありました。自分の中でもどう考えたらいいか困っています」というのがTさんからの最初のご相談でした。

Tさんの話をよくお伺いしたところ、まずTさんはLGBT当事者ではないそうです。しかし、同僚から気になる発言があったので相談したいとのことでした。

先日、部署をまたいだ若手の懇親会(30名程度)があり、その雑談の中で最近のニュースの一つとしてLGBTに関しても話題にあがったそうです。
その場で、同僚のXさんが『同性愛とか、人それぞれだし、仕事に持ち込まなければ別になんでもいいけれど、個人的には好きじゃないよね』というような発言がありました。
また一緒に話をしていたYさんからは『そういうのは、最近はすぐにハラスメントになるから、気を付けたほうがいいよ(笑)』という会話もあったそうです。
このYさんの発言も、その言い方や雰囲気がTさんには引っかかったとのことでした。

Tさん自身はLGBT当事者ではないものの、身近な友達にも同性愛の人は何人かいて、生きにくさや悩みを打ち明けられたこともありました。
またLGBTに関係なく、誰かの悪口や揶揄するような発言を聞きたくないという気持ちもあったとのことです。
それを踏まえて、『このようなXさんとかYさんの発言を聞いたらLGBTの人はどう思うのでしょうか?これらはSOGIハラスメントにあたらないでしょうか?それとも自分が気にし過ぎなのでしょうか?』という相談です。

弊社の外部相談窓口対応

まず弊社では、Tさんの話をしっかりお伺いしたうえで、このような発言がハラスメントに該当する可能性があるということをお話ししました。
同性愛に対する考え方はひとそれぞれ違いますので、その考え自体は即否定されるものではないのですが、心の中で思うことと、それを言葉にして表すことは大きく異なります。
懇親会という多少くだけた場とはいえ、職場において『●●の人は好きじゃない』という発言は、それを言われた人の人格や尊厳を傷つける場合もあります。
またYさんの発言も、文言だけをみればXさんを注意しているようにも見えますが、言い方やニュアンスによっては、LGBTに関する社会の変化や理解を促す考えを暗に揶揄しているとも言えます。

このような発言をLGBT当事者の人が聞いた場合にどう感じるかは人それぞれです。
実際にこの話を、同性愛者数名にどう思うか聞いたところ、
・よくある話なので気にならない
・すごく嫌、一緒に働きたくない
・相手もその程度の人だと思って気にしないようにする
などいろいろな意見がありました。

Tさんにはこのような状況をお伝えしたうえで、どうしたいか希望をお伺いしました。『XさんやYさん個人に対してどうしてほしいはないけれど、そういう発言がない職場がいい』ということだったので、XさんやYさんの個人名を伏せた形で今回の件を人事部門に報告いたしました。

今回のような同性愛を揶揄する発言などは、言われた本人(LGBT当事者)が不快に感じたり傷ついたりするだけではありません。周りの人を不快な気持ちにさせ職場環境の悪化や周囲の人のモチベーション低下などにつながります。

A社では、今回の件はLGBTが一つのきっかけではあるものの、LGBTに限らず幅広くダイバーシティ&インクルージョンの啓発活動を進めていくことにしました。

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