就職活動のピークです。セクシュアリティが理由で就活に悩むLGBT就活生もたくさんいます。中でも性自認の部分で悩みを抱える当事者にとって就活は大きなハードルになっています。
今回は、今、就職活動中のOさん(Xジェンダー)の就活相談をご紹介いたします。
私は、今、就職活動中です。戸籍は男性ですが、自分のセクシュアリティはXジェンダーと自認しています。Xジェンダーなので、トイレとかも男性用でいいですし、セクシュアリティに関しての希望はスーツが着られないということくらいです。スーツが着られないというと、着たくないと捉えられることが多いのですが、自分の中ではスーツを着ると自分じゃないという感じです。スーツを着ていると落ち着かなく、早く着替えたくなります。
就活に関しては、大学のキャリアセンターにいくと、自己分析や業界分析をやるように指導されます。私も初めの頃はほかの友達と一緒に、業界研究とかもやりました。ただ実際にナビがオープンして、エントリーできるようになってくると、自分がやりたいことがよくわからなくなりました。
実は、昨年の夏にPRIDE指標でゴールドを取っているLGBTフレンドリー企業のインターンシップに行きました。そこはLGBT向けのインターンシップではないのでLGBTの取り組みなどの話は特にはないです。そのインターンシップの際に、先輩社員からいろんな仕事のやりがいの話をきき、その中で営業職に魅力を感じました。お客さんに喜んでもらう、それが自分の成果として見える!という点がいいなと思いました。ちょっと憧れをもっていろいろ聞いてみたら社内ではカジュアルな服装も認められているのですが、営業職はスーツを着ないといけないと言われました(当たり前なのかもしれませんが)。
そのあとは、自分が何かしたいかより、スーツを着なくていい仕事という軸でしか探せません。そういう中で、ITエンジニア職は、スーツなどの縛りがかなり緩いと聞いたので、最近はITエンジニア職にかなり絞って就活をしています。
別のLGBTフレンドリー企業の面接では、Xジェンダーということを伝えたのですが、「女性用のスーツは着られないの?」と言われてしまいました。会社としては、「セクシュアリティにはこだわらないし、Xジェンダーもいいよ!という感じだったのですが、業務上、他社への出向もあるので、そこの理解を求めるとかは難しいみたいです。
社会のLGBTに関する理解が少しずつ進み、就活生の中でもカミングアウトをして選考をうける学生も増えてきています。企業側も理解が少しずつ進み各種の取り組みも始まっています。ただ世の中全体でいえば、男女の二元論がベースにあるため、移行前提のトランスジェンダーよりも二元論にあてはまらないXジェンダーは、働く上での難しさを感じる場面が多いのが現状です。