先日、LGBT当事者の方と話をしていました。
「PRIDE指標を受賞した企業はLGBTフレンドリー企業なんですよね?」と聞かれました。同時に「PRIDE指標を受賞した企業なら、働きやすいんですよね?」とも聞かれました。
PRIDE指標受賞=LGBTフレンドリー企業でしょうか?
PRIDE指標2017の発表は2017年10月11日にありました。今年は109社が応募・表彰され昨年の82社より大きく増えました。それだけLGBTへの関心が高まり、その取り組みを進める企業が増えたということです。このPRIDE指標はとても意義があることだと感じています。
LGBTフレンドリー企業という概念には、明確な定義はありません。フレンドリー企業とは「LGBT当事者も含めて、すべての人が働きやすい職場環境の企業」という考え方もあります。この定義に従えば、PRIDE指標を受賞した企業はLGBTフレンドリー企業である可能性は高いけれど、LGBTフレンドリー企業だとは言いきれないと思います。
このPRIDE指標は厳密にいえばLGBTフレンドリーかどうかを判断する指標ではなく、LGBTに関してどんな取り組みをしているかを評価する指標です。つまりLGBTフレンドリーであろう(ありたい)としていかに取り組んでいるかを評価しているだけなので、その結果としてフレンドリーな社風になっているかどうかまでは判断ができないのです。
回りくどい話ですが、LGBTダイバーシティ&インクルージョンを考えるとき、制度と風土を意識して考えたほうが良いと思っています。制度(取り組み)面だけでは必ずしも働きやすい職場とは言えず、風土面が非常に重要になってくるということです。ただ一方で、制度面の取り組みを進めることは、風土づくりを大いに支えるものなので、その意味ではこういう取り組みをしている企業は、フレンドリー企業である(になる)可能性が高いということです。制度と風土は車の両輪のような関係だと思います。
働きやすいどうか、という社風に関して100点満点というのはなかなか難しいと思います。ただそれに向けて努力(取り組み)をしている企業というのは広い意味ではフレンドリー企業なのだと思います。自社の取り組み状況をしっかり伝えていくことが大切だと思います。
このPRIDE指標は、日本でもっとも支持されている企業のLGBT取り組み指標です。まずは応募して受賞しよう!という企業もあるかと思います。是非その次に活かしていくためにも、何の目的で応募するのか?受賞したものをどういかしていくか?ということを、あらかじめ明確にしておくとより良いでしょう。
LGBTダイバーシティ&インクルージョンを推進するにあたって、道しるべ(マイルストーン)とするのも良いと思います。またこの受賞を社外へのPRに使うのも大事です。あるいは、社内での共有や風土醸成に活用するということもできます。この指標や自社の取り組みを社内で発信し、社内でLGBTを含めたダイバーシティへの話し合いが起きることが働きやすい風土づくりにつながっていくのだと思います。