書籍概要

30歳まで女性として暮らしてきて、その後染色体検査でインターセックスと判明し、今は男性として生活をしている新井祥氏の、4コマギャグ漫画です。

男と女の中間の目で見た世界をコミックエッセイにしています。新井氏の個人的な体験だけでなく、読者からのエピソードや質問にこたえるような漫画もあります。

『学校で教えてくれないセクマイの話』というタイトルの通り、学校や研修ではなかなか教えられないor聞けないような下ネタも含めたLGBT当事者の話もたくさん入っています。

4コマならではの読みやすい漫画になっています。

印象的なコンテンツ

みんなのお悩み編 ~改名したら楽になれる?~

トランスジェンダーでは改名を考えている人も多くいます。でも改名の悩みってなかなか分からないですよね。単に改名が大変とか手間がかかるという悩み以外にも、いろいろな悩みがあります。

・パス度の高いMTFは、改名前だと、公的な場で本名を呼ばれると見た目とのギャップがあり、恥をかかされそうな気になる…

・パス度が高いトランスジェンダーが、改名も終わると、逆に見た目と名前のギャップがなくなるからこそ、今度は性別欄を見たときに、あれっ!!となることがある…

みんなのお悩み編 ~ノンホルのままでいいのかしら~

トランスジェンダーでは性別移行を望む人も多いです。また戸籍変更までしないとしても自ら望む性別に近づくためにホルモン注射だけを行っている人もいます。

そんな中でホルモン治療を行っていないノンホルのトランスジェンダーの話をとりあげています。

・20代は女にならなくても、中性的な格好や女装で良いと思っていたければ、40代になって女性ホルモンを打っておけばよかった…

・女性ホルモン注射のリスクや性別適合手術のリスクを考えると、なかなか治療に踏み切れないけど、治療して無事に移行している人も見るとちょっと悔しくなる…

感じたこと

この本は、企業のダイバーシティ担当者の中で、LGBTの基礎知識を知ったうえで、さらにもっとLGBTについて知りたいという人にはお勧めです。研修などでは“当事者の悩み”というのはさらっと聞いて終わりですが、リアルな事例を読むことで、具体的で複雑な悩みの一端が垣間見えます。

本書は、LGBT当事者向けであり、当事者として自分事として悩んでいる人に、他の当事者の悩みを伝えることで勇気を届けています。同時に、LGBT非当事者向けでもありLGBT当事者をより具体的に知っていくことにもつながります。

どちらも共感があったり、新しい発見が得られるものだと思います。

4コマのギャグ漫画なので、文章では面白さを伝えるのはとても難しいですが、読みいやすいですし一読をお勧めします。