2019年卒の就活はかなり終盤を迎えています。内定をもっている就活生も80%を超え、多くの企業で採用活動自体も収束しています。

そんななかで、先週、就活生(Hさん)とお話しました。『内定をもっているけど、トランスジェンダー(FTM)として働けるところを探すのでまだ就活は続けたいです!』と言っていました。
この就活生は、当初は戸籍上の性別である女性として就活をしていましたが、内定をもらった企業の対応をみているうちに、再度就活をスタートさせて、現在はトランスジェンダーであることカミングアウトして就活をしています。

私は、就活は3年生の夏からインターンシップに行き、スタートしました。自分の納得いくところに就職したかったので、かなり早い段階から大学のキャリアセンターにも行き、いろいろな情報を集めました。キャリアセンターでは、自己分析や将来のキャリアプランの作成などを一緒にやってもらいました。

就活では、やっぱりトランスジェンダーというのは言いにくかったので女性として就活をしました。その中で、3社から内定をもらい、そのうちの一つに内定承諾もだしています。来月には内定式もあります。

私は、大学では情報学部に通っていてプログラミングなどを勉強しています。この勉強を生かした仕事をしたいと思って、IT系の企業を中心に受けています。内定をいただいたのはIT系の有名な企業です。もともと行きたいと思っていた企業なので、内定をもらえてとても嬉しかったです。

内定をもらったあとに、内定者向けのインターンシップがあるということで、1か月ほどのインターンシップに参加したのですが、そこで何かちょっと違うかもしれないと感じました。

インターンシップ自体は面白かったのですが、辛かったのがインターンのときに先輩社員さんから『●●ちゃん』と名前で呼ばれ続けたことでした。社員のみなさんはフレンドリーな気持ちで呼んでくれているのは分かるのですが。将来、名前の変更を考えているのもありますし・・・。またチームごとに課題があったのですが、その発表はどのチームも男性がやっていて、なんとなく目に見えない男女差みたいなのを感じました。

内定をもらった企業は大手だし迷いはありますが、でも辞退するつもりです。

今は、また就活を再開しました。納得いく企業から内定がもらえるかは分かりませんが、すべてトランスジェンダーということを伝えて選考を受けています。セクシュアリティを理由に断られることもありますが、それでも仕事は人生の大きな部分を占めるものなので、もう少し頑張るつもりです。

Hさんは、就活を再開した際に、大学のキャリアセンターにも行き、LGBTというセクシュアリティについてもカミングアウトをしたそうです。キャリアセンターでは、相談は聞いてはくれたものの具体的なアドバイスはもらえなかったとのことです。『たぶん困らせちゃったんだと思います』と言っていました。

Hさんが内定をもらった企業も、他の企業と比較して特別、LGBTに差別的な企業というわけではないと思います。内定辞退になっても人事部はおそらく理由が分からないでしょう。

差別ではないけれど、“先入観”や“常識”が働きにくさをつくっているので、企業としても、社会としてももったいないと感じます。