最近は、セクシュアルマイノリティの総称として『LGBT』に“Q”をプラスして、『LGBTQ+』という表現をすることが増えてきています。この“Q”はクイアやクエスチョニングの頭文字です。クエスチョニングとは自身の性自認(自分の性を何と考えるか)や性的指向(どんな性を好きになるか)が定まっていない、もしくは意図的に定めていないセクシュアリティを指します。

今回は自分のセクシュアリティをQ(クエスチョニング)と自認しているTさんのお話です。

私は戸籍上は女性の29歳です。自分の性自認に関しては、正直、よく分からないです。女性でも男性でもない、という気もするし、逆に女性でもあるし男性でもあるような気もします。20代前半の頃は漠然とですが、男だったらいいな、と思う瞬間もありましたが、今はどちらの性別にも縛られたくないという感覚が強いです。

服装も、ときには女の子っぽい服をすることもありますし、男らしい格好もします。服装の好みの幅はかなり広い方なんだと思います。髪型は基本的にはショートが多いので髪型にあわせて服装が決まるというところもあります。メイクも好きですが、ベリーショートのときとかはメイクをしないときもあります。

Xジェンダーではないか?と言われることもありますが、自分ではよく分かりません。これがXジェンダーといわれるなら、Xジェンダーなのかもしれません。ホルモン治療もしていないですし、もちろん、性同一性障害の診断も受けていません。今の気持ちとしては、戸籍の性別を変更したいとかはないです。

社会では男女の二つに分けることが多いなと感じます。ただそれをいちいち気にしたり嫌だな、と思うことはほとんどないです。ただ自分のこの気持ちはなかなか伝わらないだろうなと思います。

性的指向に関しては、一応、パンセクシュアルと思っています。今は女性のパートナーと暮らしています。これまで男性とも付き合ったことはありますし、トランスジェンダー(Xジェンダー?)の人とも付き合ったことがあります。その人の良いなと思うところが好きになれればお付き合いできる気がします。

このような自認のTさんですが、職場ではカミングアウトはしていないそうです。職場でセクシュアリティに関して希望することはほぼないのですが、やはり隠さなければならないという状況はストレスだそうです。
特に、男性っぽい格好をしたり、髪形をベリーショートにしたくなる時もあるので、そのたびに男みたいとか、女性らしくとか言われるのは煩わしいそうです。

Tさんが最後に話してくれたのは、「自分自身でも、自分の気持ちや感覚が年齢とともに?変わっていっている気もするので、自分のセクシュアリティに関しては、特に名前をつけなくて良いと思っています。」ということでした。