LGBTの就活生は、自分のセクシュアリティを就活の面接の場で伝えるかどうか、悩むケースが多いです。レズビアンやゲイの就活生の場合は、選考時に言わなくてもバレないので、選考時にはカミングアウトをしないという人が多いです。

そんな中で、自分のセクシュアリティをオープンにし、かつそれを自分の将来の夢につなげた話しをして内定を獲得した、Tさんからお話をお聞きしました。

私は、今大学4年生で今度の4月に社会人になります。私は昨年、就職活動をしていて、最初は、自分がレズビアンだということは一切、カミングアウトをせずに活動をしていました。就活にはセクシュアリティは関係ないと思いますし、わざわざ言う必要がないと思っていたからです。就活の最初の頃は志望業界を絞っていなかったのですが、いろんな企業をみていくうちに、私はいろんな人を幸せにしたい!お客さんの笑顔を見れたら自分が幸せになれる!ということに気づきました。接客サービスの業界を見ていく中で、たまたまネットでレズビアンのカップルの結婚式の話を目にして、これだ!と思い、ウェディング業界に絞って応募しました。

コロナの影響もありウェディング業界はかなり厳しく、応募したものの、途中で新卒採用自体が中止になった企業もありました。
そんな状況の中で、応募したある企業の人事の人と深く話をする機会があり、思い切って自分のセクシュアリティをカミングアウトをしたうえで、同性カップル向けの結婚式のサービス展開について話したところ、とても熱心に聞いてもらえました。

同性カップル向けのウェディングは、少しずつ世の中にでてきていますが、まだまだ広がっていません。その理由や、どうしたら広がるのか自分なりに調べて考えたものを、最終の役員面接のときに話してみました。役員からは、「プランとしてはまだ稚拙な部分もあるけれど、実際にウェディングの現場で働いてみて、その経験を踏まえていいサービスを作ってみてほしい」といわれて内定をいただけました。

同性カップル向けのウェディングは簡単ではないかもしれません。ただウェディングをしたくても挙げられないカップルはたくさんいると思うので、その人たちに喜んでもらえるようにしたいと思っています。セクシュアリティ自体は就職には関係ないかもしれませんが、自分にとって大事なものだからこそ想いをもって話せたし、将来の夢にできるということに気づきました。これから社会人になるので、不安もありますが、目標に向けて一歩ずつ頑張っていこうと思います。

入社を目前に控えて、Tさんは仕事を始めるのをとても楽しみにしていました。Tさんは、まだご両親にはセクシュアリティをカミングアウトしていません。以前、ご両親から、結婚式が楽しみ!といわれたことが引っ掛かっていたそうで、「同性カップルのお客様の笑顔を見たいのはもちろんですが、両親にも笑顔になってほしい」とも言っていました。