LGBTフレンドリーな組織ってどんな組織でしょう?
例えばメンバーが10人の組織だとして・・・
10人全員がLGBT研修をうけて基礎知識を持っていたらどうでしょうか?
10人全員がアライを自認する人達だったら?
10人全員がゲイだったら?
全員が研修を受けていたら、明らかな差別的な発言もないだろうし、カミングアウトを受けても動揺することもないかもしれません。
全員が研修を受けたうえで、さらにアライを自認するくらい積極的に支援・応援しようという人たちなら、カミングアウトをしても受け止めてもらいやすいかもしれません。
もっといえば全員がゲイ(LGBT当事者)だったら。当然、ゲイ以外のセクシュアリティも含めてLGBTに深い理解があり、受け入れは万全かもしれません。
・・・というのは半分ホントで半分は足りないことがあると感じています。
LGBTフレンドリーな組織は、LGBT当事者が働きやすい組織≒LGBT当事者が働きにくくない組織、だと思います。
2017年中に、100人以上のLGBT当事者から直接、仕事のうえでの相談をお聞きしました。働く上での悩みはセクシュアリティに関することも、全く関係ないこともあります。(当たり前ですが、ここは意外に大事)。
セクシュアリティに関することでいえば、本当に千差万別です。
L、G、B、Tの各セクシュアリティによって違うのは当然です。L、G、B、Tの同じカテゴリーの中であっても、人によって違うのは当然です。現在働いている企業(職場)によって違うのは当然です。職種によって違うのは当然です。年齢によって違うのは当然です。育った環境によって違うのは当然です。
NijiリクルーティングにはLGBT当事者はたくさんいます。むしろ、LGBT非当事者である僕は社内のセクシュアルマイノリティになります。そんな組織であっても、すべてのLGBT当事者が働きやすい環境ではないと思います。
いろんな人がいるので全ての人が働きやすい組織というのは難しいということです。ただそれに近い組織を作るためにはどうすればいいか?を常に考えるようにしています。
では、それに近い組織とは…?
たぶん。10人全員が4歳児の組織はかなりそれに近いのではないかな、って思います。(4歳児組織では、ビジネス上は不都合だらけですが)
4歳児はまだ知識も常識も少ないから、先入観も固定観念もほとんどないです。そんな先入観や固定観念が少ない人たちの集まりが理想だと思っています。
LGBTフレンドリーな風土をづくりの秘訣は、
- 就業規則にLGBT差別禁止を明記する
- LGBT研修をする
- 新卒採用のエントリーシートに男女欄をなくす
- LGBTアライウィークを開催する
- 同性パートナーシップ制度を導入する
・・・というようなことは大事だけど、その本質は『組織メンバーの(セクシュアリティに関する)先入観や固定観念を減らす』ということです。
(今回の記事の答えです)
組織として研修を受けることも大切ですし、研修をうけてアライが増えることも良いことです。ただ全員ゲイ(LGBT当事者)であったとしても、先入観や固定観念が強いと、なかなか働きやすい組織にはならないのです。
知識の問題と先入観(固定観念)の問題は密接に関係するけれど、違うということです。
2018年がスタートします。LGBTダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みをスタートさせる、より推進する企業が増えるのは間違いないでしょう。
どの企業にもあてはまる正解ルートはありません。だからこそ難しいのですが。参考事例やパターンから、ある企業にとってもっともよい方法は何かを考えていくというのが僕らの命題です。