雑誌概要
『Oriijin』
インクルージョン&ダイバーシティメディアの「Oriijin(オリイジン)」の第3号が発売になりました。2017年3月、2018年3月に引き続きの第3号です。第1号、第2号はLGBTの内容が濃かったですが、今回はよりダイバーシティ全体をテーマに取り上げた作りになっています。
『いつの時代も、人にはそれぞれのココロ(心・こころ)があり、ココロとココロが対人関係を織り成し、社会をかたちづくっています。
…では、そもそも、ココロって何だろう?
このところ、よく耳にする「ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の受容)」って何だろう?障がい者、LGBT、外国籍の人たちを取り巻く状況はどうなっていくのだろう?』
こういったことに関心のある人にとっては、関係する最新の情報が幅広く載っており、また自分自身の“ココロスタイル”を考えるきっかけになる雑誌です。
印象的なコンテンツ
『「雇用の流動化」を進めていくこと。そして、「あえて共有する」姿勢が、インクルーシブな会社組織を作るのではないか。』(23頁)
Freee株式会社CEOの佐々木さんのインタビューです。ダイバーシティ取り組みを進める理由、進めるための阻害要因、進めるためのポイントが書かれています。
1ページという限られたボリュームなのですが、企業でダイバーシティ&インクルージョンを進めている経営者や担当者には、ヒントになる考え方です。
『十人十色の人たちが伸び伸びと働いてもらう前提として、多様性のある職場環境、働きやすい組織風土をさらに確かなものにしていきたいーそのことが中長期的な成長の原動力になると確信しています』(80頁)。
株式会社ベルシステム24ホールディングスの柘植社長の言葉です。ベルシステムでは早くから障がい者も含めていろいろな人が働きやすい職場づくりを進めています。コールセンターという職種の特徴もあると思いますが、障がい者や外国人という属性のダイバーシティだけでなく、シフト制を活用した働き方のダイバーシティも進んでいます。こうしたダイバーシティを進めてきた実績があるからこそ、前述の社長の“確信”につながるだと感じました。
『TOKYO2020パラリンピックがやってくる』(37ページ~)
来年に迫った東京パラリンピック。オリンピックに目が行きがちですが、この特集をみるとオリンピックとは異なるパラリンピックの競技のガイド、歴史、活躍が期待される選手、それを支える義肢・装具・車いすなどサポートをしている企業のインタビューなど、パラリンピックが見たくなる記事が満載です!
感じたこと
今回のOriijinは前2号に比べるとLGBTの記事が少なくなっている気がします。しかしそれはLGBTへの意識が薄くなったのではなく、ダイバーシティの中のLGBTという本来の位置づけに戻ってきたように感じます。
当然なのですが、LGBTの話は、LGBT単独別個のものではなく、ダイバーシティ全体の中で考えたほうがよく、またLGBT当事者だけにかぎらずさまさまな人の生き方や働き方に関係してきます。
NijiiroのOriijin。ここには載せられませんでしたが多くの人のインタビュー記事も興味深いです。おススメです!