『Oriijin Spring2018』は~LGBT&多様性の受容…いま身につけたいココロノスタイルとは?~という副題がついている通り、LGBTを中心とした多様性に関する雑誌です。昨年、Spring2017が刊行されているので、第2号ということになります。(3月下旬に発行されたばかりの、ホヤホヤの情報がいっぱいです!)
LGBTをこれだけ中心に据えている雑誌は少ないですし、幅広く多くの情報が掲載されているので、LGBTやダイバーシティに関連する人にはお勧めの一冊です。
書籍概要
多くの人のインタビューや取材が掲載されている雑誌です。坂本昌行さん、東ちづるさん、つるの剛士さん、高橋真麻さん、土田晃之さん、岡田結実さん、冠二郎さん、観月ゆうじさん、阿部千代さんといった著名人のインタビューもとても面白いです。さらにLGBTに深くかかわって活動している方々の記事も興味深いです。また自治体の取り組みもよくまとまっています。
さまざまな情報がバランスよく掲載されているのが特徴です。
印象的な記事
多くの記事やインタビューが面白いので、是非、すべて読んでみてほしいと思います。その中でも今回、注目したのが、丸井グループの青井社長のインタビューと高島福岡市長のインタビューです。
丸井グループ青井社長
- 「本業で社会の役に立ちたいのです。」
- 「ニーズの少ない層にも買っていただければ、最終的には売り上げも増えるんですよ。」
- 「利益を追求することと人の役に立つことが結びついている」
高島福岡市長
- 「知らないことはわからなし、疑心暗鬼になってしまう。それは双方にとって不幸なこと。理解につながるようなきっかけを他の分野も含めて、広げていきたい」
青井社長も高島市長も、組織のトップとして、なぜこの取り組みを進めていくかを明確に語っていらっしゃいます。組織の目的にあっているからこそ、LGBTの取り組みを自信をもって先頭にたって進めているというのがとても伝わってきます。
感じたこと
企業のダイバーシティ担当者とお話しをしていると、なかなか経営陣の理解や後押しが得られないという悩みを持っている方が多いと感じています。
それに関連すると感じたので、二人のトップのインタビューを今回はとりあげました。LGBTダイバーシティ&インクルージョンの取り組みが、どのように組織の目的と整合していくかが、経営陣の理解を得るうえでは大切になると思います。
同じように、「LGBTはまだ早い、他のダイバーシティが先!」という声もときどき聞こえてきます。このOriijinの23ページには、LGBT、障がい者、介護をしている人、外国人労働者の数の比較が載っています。このようなデータもLGBTダイバーシティ&インクルージョンを推進していくうえでは、活用できるデータです。
単純に人数の比較で判断すべきことではないですが、少なくともLGBTが後回しでいいということではない、というのは伝えられるのかな、と思います。
次号への応援も込めて、購入して読んでみました。