4月末から5月初めにかけてのPRIDEウィーク、そして6月のPRIDE月間など、LGBTに関連するイベントが多数開催される時期です。コロナの影響でオンライン開催のみとなっていた東京レインボープライドも2022年は、久しぶりにリアル開催がされました。

このようなタイミングだからこそLGBT映画の鑑賞はいかがでしょうか?

今回は、実話に基づくLGBTに関連するオススメの洋画を3本紹介します。

『パレードへようこそ』(2014年)

監督:マシュー・ウォーチャス
出演:ビル・ナイ, イメルダ・スタウントン, アンドリュー・スコット

概要:40年ほど前のイギリスを舞台にした、同性愛者の団体と炭鉱労働者の友情の話。カンヌ国際映画祭でクイア・パルム賞を受賞。

あらすじ:1984年のサッチャー政権下、不況に揺れるイギリス。ロンドンに住むゲイの青年マークは、スト中の炭坑労働者とその家族を支援するため、ゲイ&レズビアンの仲間たちと『LGSM』という組織を結成し募金活動を始める。しかしいざ募金を集めてみると、彼らへの偏見で支援の申し出はことごとく断られてしまう…。

40年ほど前のイギリスで、同性愛がどのような視線で見られていたのかがよくわかります。また同性愛というテーマだけでなく、さまざまな人の立場や考えの違いを浮き彫りにしたうえで、カテゴリーわけではなく、その人自身に向き合い、協力し合うという普遍的な人間関係の話です。
描かれている人は実在し一生懸命生きていた人をベースにした真面目な話でありながら、コメディタッチで、感動と元気をもらえる話です。

『リリーのすべて』(2016年)

監督:トム・フーパー
出演:エディ・レッドメイン, アリシア・ヴィキャンデル, ベン・ウィショー

概要:世界初の性別適合手術を受けたトランスジェンダー女性とその妻のラブストーリー。アカデミー賞で主演男優賞や助演女優賞を受賞。

あらすじ:1926年、デンマークで仲睦まじく暮らす、風景画家と肖像画家の夫婦。ある日、女性モデルの代役を引き受けた夫アイナーがストッキングを身に着けた瞬間、自らの女性性を自覚してしまう。やがて性転換を決意し、性医学を学ぶ一方、妻ゲルダは献身的に彼を応援するが…。

前例のない手術をうけるリリーの覚悟と同時に、突然、女性になってしまった夫を受け入れていく妻の複雑な心情も丁寧に描かれています。主演の二人の言葉にならない表情とともにヨーロッパの街並みもとても綺麗に映し出されており、行ってみたくなる映画です。

『ミルク』(2009年)

監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ショーン・ペン, エミール・ハーシュ, ジョシュ・ブローリン, ジェームズ・フランコ, ディエゴ・ルナ

概要:アメリカ初の同性愛者を公表して議員に当選したハーヴェイ・ミルクの、マイノリティサポート活動を描いた感動映画。アカデミー賞で主演男優賞などを受賞。

あらすじ:1972年ニューヨーク、ミルクは20歳年下のスコット・スミスと恋に落ちる。2人はサンフランシスコに移り住み、自由な空気のカストロ地区で小さなカメラ店を開く。やがてミルクは同性愛者、有色人種、シニア層など社会の弱者の“声”を伝えるべく政治の世界へと飛び込む。そして1977年、4度目の出馬でサンフランシスコの市政執行委員選に見事当選し、マイノリティを支援する条例を実現するための行動を推し進める。しかし、翌1978年11月27日、彼は志なかば敵対する市政執行委員の凶弾に倒れた。彼の人生最後の8年間、いったい何があったのか・・・。

LGBTへの理解がまだまだ低かった当時のアメリカで同性愛を公表した政治家としてマイノリティの支援に注力をしたミルクの短い人生を描いている映画です。ミルク自身は欠点があるからこそ、魅力的であり、周りを巻き込みながら志を貫いていきます。感動とともに、とても考えさせられる映画です。

 

最近ではLGBTという言葉や存在も注目されるようになり、人権問題としても社会的に考えられるようになってきました。これらの映画の時代背景も場所も異なりますが、法律面では日本より進んでいる欧米の何十年か前の社会的な理解状況がよくわかります。

いずれも実在した人をベースにした映画です。LGBTという視点だけでなく、主人公それぞれの生き方という視点で鑑賞するのもおススメです。